転職をする際に誰でも気になるのは、収入がどうなるのかということです。
中には、今の仕事よりも高収入を得たいということを転職の理由として考えている人もいるでしょう。
しかし仕事には文系向きのものと理系向きのものがあり、どちらを選ぶかによって収入が大きく変わってくる場合もあります。
ですので今回は、文系と理系の仕事では収入にどれだけ差があるのかということや、なぜ差が生じてしまうのかについて分かりやすく紹介します。
実際にどれぐらい差があるのか
あるデータによると、男性の平均年収は、文系は560万円程度であるのに対して理系は600万円程度になっています。
ですので文系よりも理系のほうが40万円程度も高収入だということが言えます。
この40万円という金額は、1カ月あたりにすれば3万円程度の違いですが、1カ月分の給料にも相当する額になるのです。
そしてこの給料で仮に40年間働いたとしたら、実に1600万円もの差が出てしまうということになります。
この1600万円という金額は、地方であれば家を買うこともできる額に相当するので、決して無視できない数字だということが分かるでしょう。
この傾向は女性についても同じであり、女性の場合だと年収の平均が、文系は200万円程度であるのに対して、理系は260万円程度となっています。
女性は、年収自体は男性よりもかなり低くなってしまいますが、収入差は実に60万円程度もあるのです。
この60万円というのは、女性の場合であれば3カ月分の給料に相当しますし、文系と比べてかなりの高収入ということになるでしょう。
なぜ収入に差が出てしまうのか
男性の平均年収で見ると理系は文系よりも40万円も高収入ということが分かりましたが、なぜこれだけ差が出てしまうのかというと、「労働によって生み出される価値の違い」というものがあると言えます。
文系の場合でも、投資銀行や外資のコンサルタント、そして広告代理店などの人気職種がありますし、それらの職種は高収入を期待することもできます。
ですので、文系のほうが収入が高いというイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし社会全体の需要というものを考えると、日本は技術立国であり、製造業が強い国なので、その分野に強い人材が多く求められている傾向があると言えます。
そのため、製造業で活躍できる理系の人材の需要が高くなり、給料も多く支払われるようになるということが起こるのです。
また最近ではIT分野の発展もあり、プログラマーやエンジニアといった仕事も多くなっているので、理系の人が活躍する分野というものがますます広がっていくことが予想できます。
そしてITなどの新たな分野で需要が増えれば、収入も多くなることが期待できます。
年齢が上がるごとに収入差は大きくなる
収入というのは、年齢が高くなるほど給料が上がって年収も多くなる傾向にありますが、その上昇率も文系より理系のほうが高くなると言われています。
ですので、若い頃の収入差が40代~60代になるとさらに開いていくということです。
なぜそうなるのかというと、理系の人は専門知識を持っているため、転職をしても比較的高い給料で雇ってもらえるということがその理由の一つとしてあると言えます。
もちろん文系の人も、長く働いていればその職種の経験を積むことはできます。
そのため前の仕事の経験を転職に生かすことはできるかもしれませんが、新しい仕事を一から覚えなければならないという場合が多いのです。
そうしたことから文系の場合は、年齢が高いからといって給料も高くしてもらえるとは限らないということが言えます。
その点、理系であれば、年齢を重ねるごとに知識や技術を多く蓄積することができるので、転職をしても即戦力として役に立つことができます。
したがって文系よりも労働価値が高く、給料の面でも優遇される場合が多いということが言えるのです。
職種ごとの収入を確認することも必要
ここまで、収入の違いについて見てきましたが、こうした話はあくまでも全体的な傾向がどうなっているのかということなので、職種によっては文系のほうが高収入になるということも当然あります。
ですのでより正確な収入の違いを知りたいのであれば、職種ごとに比較していくしかありません。
それに働き方についても、会社勤めだけでなく、自分で開業するやり方やフリーランスというものもあるため、その働き方によっても収入は大きく左右されてしまいます。
どうしても高収入が欲しいのであれば、自分で開業するのが一番の方法だと言えますし、上手くいけば1億円以上の資産をつくることも可能でしょう。
しかし自分で開業する場合は、会社勤めと違って安定性がないため、その点のリスクも考える必要があります。
また、いくら理系のほうが高収入といっても、文系出身の人がいきなり理系の仕事に転職するのは難しいと言えます。
ですのでそうした場合は、希望する仕事に役立つ資格を取ったり勉強をしたりといった努力をすることが必要になってくると言えるでしょう。